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書 籍 案 内

プラグマティズムと哲学の実践


リチャード・シュスターマン
=著
樋口聡・青木孝夫・丸山恭司=訳

本体4000円+税
2012年1月10日発行
ISBN978-4-902163-61-2
四六判/並製 438頁
      
プラグマティズムによって
現代哲学の諸潮流を再解釈する


哲学的に生きることが西洋哲学の中心テーマであるという考えを、
本書は、蘇らせようとするものである。単なる抽象的な理論ではなく
具体的な生き方の実践として哲学を捉えることで、哲学は、より多く
の人々にとって関係の深いものとなり、社会において今以上に影響力
を持つものとなるだろう。そして、何よりも哲学それ自身が、豊かで
活力のあるものとなるだろう。本書で、私は、哲学的な生き方を援護
するために、20世紀のプラグマティズムを援用する。理論と実践の統
一を強く主張し、いきいきと生きる経験を中心に置き、そして、真理
のための真理に奉仕するのではなく、より良く生きるという目的に奉
仕することを哲学の第一義とすることによって、プラグマティズムは、
西洋の近代哲学の中で独特の地位を占めている。プラグマティズムに
とっては、生きることの様々な目的は、哲学も含んだあらゆる認識の、
中核に位置している。あらゆる認識の実践的目標は、単にダーウィン
的な意味での生存にあるのではなく、人間性の完成と経験の質的向上
のために、生きることの多様な関心が活性化されることにある。
(「日本語版への序文」より)

      
目次

日本語版への序文
謝辞
序文・刊行に際して 佐藤学

序論 哲学的な生き方 哲学の詩学の再生
第1章 哲学的な生き方の素描
 デューイ、ウィトゲンシュタイン、フーコー

     第Ⅰ部 倫理学と政治学

第2章 プラグマティズムと民主主義 デューイとローティの間
第3章 民主主義の倫理学 パトナムとカヴェル

     第Ⅱ部 芸術・知・行為(プラクシス)

第4章 理性と美 モダンとポストモダンの間――ハーバーマスとローティ
第5章 躍動(インアクション)する芸術・侵犯(インフラクション)する芸術 グッドマン、ラップ、プラグマティズム(新しい現実混合)

     第Ⅲ部 身体性と民族性

第6章 身体的経験 基礎付けか、あるいは再構築か
第7章 来年はエルサレムで? ユダヤ人アイデンティティと帰郷神話


訳者あとがき  樋口 聡
人名索引
事項索引

      
    
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