書 籍 案 内 |
青い目の人形と近代日本
――渋沢栄一とL・ギューリックの夢の行方
是澤博昭(これさわ・ひろあき)=著
定価2730円(本体2600円)
2010年10月10日発行
ISBN978-4-902163-56-8
四六判/上製
288頁+豊富な写真資料を載せた口絵20頁付き
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時代に翻弄された人形たち――
「近代日本」の真実とは
晩年の渋沢栄一がアメリカ・カリフォルニア州の日本人排斥問題緩和のため、L・ギューリックとともに行なった日米人形交流は、ギューリックの働きかけにより1927(昭和2)年1月17日、アメリカから167体の青い目の人形(「友情の人形」)が横浜港に到着したことからはじまった。それから次々と送られ、その数は約1万2千体にもなる。3月3日の雛祭りに盛大な人形歓迎式が行われ、各地の小学校・幼稚園に配布され、それは植民地にも下送された。その返答として11月10日、58体の答礼人形が日本からも旅立った―――。日米の子供たちによって行なわれた交流は、どのように「国民」意識を醸し出していったのか。日本近代国家の実相を浮き彫る、もうひとつの真実。
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目次
第一章 人形交流誕生の背景1
・・・渋沢・ギューリックと「移民法」
1 日本人移民排斥問題
2 1924年「移民法」―渋沢とギューリックの絆
3 日本国内の反発と「移民法」改正運動
第二章 人形交流誕生の背景2
・・・在米日本人移民の視点から
1 日本人移民と1924年「移民法」
2 日本人移民から見た「移民法」改正運動
第三章 日米人形交流
・・・「友情人形」から「答礼人形まで」
1 人形計画(Doll Project)―日米親善を啓発する運動
2 友情人形の歓迎
3 答礼人形の送付
第四章 人形交流への理解
・・・外地の日本人の反応
1 すれ違う人形計画―国家レベルでの対応
2 外地に送られた人形と台湾・樺太
3 大連――反米感情の爆発
4 朝鮮――くすぐられた自尊心
5 在米日本人移民からみた人形交流
第五章 予期せぬ波紋
・・・雛の左右と人形と子供
1 雛左右論―天皇に模して
2 人形・子供使節の誕生―昭和初期の国際交流の事例
終章 近代日本のコンプレックス
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