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書 籍 案 内

国境に宿る魂
 
――紛争の狭間に生きるカレン・カチンの
              若者達と同じ屋根の下で


黒岩揺光
(くろいわ・ようこう)=著

定価2520円(本体2400円)
2010年10月1日発行
ISBN978-4-902163-55-1
四六判/並製 272頁
      
自分が日本民族に属するということの
意義とは何なのだろう――


ビルマ少数民族――カレン・カレニ・カチンの若者達の日常と様々な葛藤を
同世代の戦争を知らないもう一人の若者によって初めて描かれる、稀少なルポタージュ



 
 自分が、もし日本人に生まれてきたというだけで、家族が殺されたり、
  キャンプの外に出してもらえなかったりしたら、どうなるのだろう? 
  カレンの人と接していく中で、深く考えさせられた。そして、不思議な
  現象にも直面した。カレン青年達は、皆、「カレン民族のために命を
  捧げる」と言うが、カレン 民族といっても様々な宗教や支族に分か
  れていた。同じカレン人なのに会話がなりたたず、仏教徒やキリスト
  教徒などもいて、「カレン」とひと括りできないほど「カレン」の中には
  多様性があった。一体、彼らにとって「カレン」という民族は何なのか? 
  どうやって、カレンとして、彼らは結束しているのだろう
(「まえがき」より)

      
目次

まえがき

I―カレン族<メラ難民キャンプ>の若者達
 1 メーソート視察記
 2 メラ難民キャンプ
 3 民族としての帰属意識
 4 カレン族とイラク攻撃
 5 アメリカで見たもの
 6 カレン族の分裂
 7 未成年軍人との出会い
 8 カレニ族の独自性

Ⅱ―カチン族<ジャングル・カレッジ>の若者達
 1 カチン州と中国
 2 ジャングル・カレッジ
 3 中国語の必要性
 4 カチン語と英語
 5 文化と経済
 6 結婚と家族観
 7 世代間と隔絶
 8 男性支配社会か男女平等社会か
 9 生徒の「自己主張作文」
 10 カチン独立機構と民主主義
 11 ビルマ人との共存は?

Ⅲ―<カレン青年リーダー育成学校>の若者達
 1 2004年7月
 2 衝撃 
 3 タイ―ビルマ国境のカレン人の多様化
 4 カレン同種偏愛主義
 5 不安、困惑
 6 対立
 7 スピーチコンテスト
 8 アイザック弾圧
 9 お別れ
 10 再会


    *

教えない実験結果――――筋書のないドラマ  黒岩秩子

あとがき
      
    
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