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競馬の社会史1

文明開化に馬券は舞う

 日本競馬の誕生


立川健治
=著


定価8400円(本体8000円) 
2008年9月30日発行
ISBN978-4-902163-39-1
A5判 776頁
      
競 馬 は 時 代 の 比 喩 で あ る (―寺山修司)
日本近代の幕開けとともにあった競馬・・時代に必要とされながらも翻弄され続け終焉を迎えざるをえなかった競馬・・・社交・馬匹改良・スポーツ・賭博・博覧会・・・幕末から鹿鳴館時代までの日本社会と競馬の意外な歴史が明かされる。 競馬の社会史第1巻!
 
――根岸・戸山・不忍池を馳せた馬たちの蹄跡が消えていく――
                             身体の近代化をなしとげた私たちの行方は・・・・・・


「私たちの競馬は、日露戦争後に馬券黙許という形態で再開されることになる・・・そこに、鹿鳴館時代の記憶がどのように刻み込まれ、その結果どのような問題が孕まれることになるのか」――その物語は、馬券黙許時代から狂乱、そして禁止へと続く次作〈日露戦争後の競馬〉を待たねばならない。
 第2巻乞うご期待!
      
目次

 はじめに

1  国家的行事の競馬
   1 明治17年11月上野不忍池競馬場――近代化日本の象徴
   2 馬匹改良と競馬――国運の旺盛
   3 婦人財嚢――天晴れ文明国の貴婦人

2 共同競馬会社、戸山競馬時代

   1 共同競馬会社の設立――社交と馬匹改良の交錯
   2 興農競馬会社――もう一つの試み
   3 ニッポン・レース・クラブ〈日本競馬会社〉の誕生――内外の社交、馬政
   4 華族競馬、吹上競馬、乗馬飼養令――馬に乗ろう!
   5 不忍池への移転――ヨーロッパ並の競馬場

3 横浜の競馬

   1 幕末の競馬――競馬への欲求
   2 ギャリソン競馬――ヨコハマ・レース・クラブへ
   3 競馬をめぐって――社交、スポーツ、馬匹改良
   4 日本馬か、中国馬か――競馬の目的
   5 根岸競馬場借地料交渉
   6 鹿鳴館時代のニッポン・レース・クラブ――明治10年代
   7 パリミチュエル方式馬券の導入――本格的競馬への道

4 共同競馬会社、不忍池時代

   1 その後の共同競馬会社――どこへ行く
   2 婦人財嚢の消失――スキャンダルとしての女性
   3 新たな身体性――スポーツ、博覧会の競馬
   4 共同競馬会社の終焉――イカガワシサ、悪所性

5 賭博の鹿鳴館時代

   1 賭博と競馬――競馬に対する賭け(馬券)
   2 「下層」の賭博
   3 「上流」の賭博――スキャンダル化

6 失われてしまった馬たち

   1 幕末から明治初年代の日本馬
   2 明治10年代の日本馬
   3 明治10年代の雑種馬――新たな競馬の時代
   4 明治19、20年を駆け抜けた馬――英、播磨、日光
   5 日本馬の挽歌――シヤンベルタンを中心として
   6 明治20年代の雑種馬――ヤングオーストラリアを中心として
   7 この章のおわりに

 おわりに
      
    
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