書 籍 案 内 |
ドメスティック・バイオレンスと
ジェンダー
適正手続きと被害者保護
吉川真美子(よしかわ まみこ)=著
定価2940円(本体2800円)
2007年7月7日発行
ISBN978-4-902163-32-2
四六判 294頁 |
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DV刑事手続きにおける被疑者・被告人の適正手続きの保障に反することなく被害者の安全と権利は如何に守ることができるのか。
米国DV防止法・加害者逮捕政策をもとに「配偶者暴力防止法」改正を考える。
1970年代以降、米国の警察と検察は従来のDVへの不介入主義から脱して、加害者を積極的に逮捕する政策へと転じた。このDV犯罪に対する法や政策の変化をうながした歴史的背景、女性運動を含めた社会的背景を明らかにするとともに、デュー・プロセスと被害者保護の相克という理論的問題が、米国ではどのように表れ、どのように乗り越えられたのかを探る。
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目次
序章 ジェンダーの視点からみる日本のDV防止法
1 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の成立
2 ジェンダーによる法の展開――その歴史と可能性
3 DV防止法の発達と米国
第1章 米国の民事保護命令なコモン・ローの法原則
1 逮捕に関する伝統的なコモン・ローの法原則
2 州法としてのDV防止法
3 民事保護命令創設以前の被害者救済手段
4 民事保護命令の原型――インジャンクション
5 民事保護命令の執行力
第2章 逮捕の決定と警察官のジェンダー・バイアス
1 警察官の価値観と固定的観念
2 「寛大さの仮説」
3 逮捕の決定要因
4 警察の不介入主義の原因
第3章 被害者保護とデュー・プロセス展開の社会的要因
1 英米法の中の性差別
2 差別に対する人権運動(Human Rights Movement)
3 人種差別とデュー・プロセスの発展
4 刑事司法のDVへの対応(1970年代)
5 警察に対する「構造的改革訴訟」(1980年代)
6 マイノリティ保護のための法制度
第4章 被害者保護とデュー・プロセスの衝突と調整
1 ミズーリ州「成人虐待防止法」
2 ミズーリ州ののデュー・プロセス判例(1982年)
3 被害者の保護と加害者のデュー・プロセス保障
第5章 義務的逮捕の再犯抑止効果
1 ミネアポリス実験と逮捕の抑止効果
2 ミネアポリス実験の影響
3 ミネアポリス実験の再現実験
4 被害者のエンパワーメントによる再犯防止効果
5 全米における逮捕政策の実証的効果
6 義務的逮捕政策の目的と効果
終章 被害者保護とデュー・プロセスの調和
1 米国のDV防止法における加害者逮捕政策
2 日本法への示唆
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