書 籍 案 内 |
植民地期朝鮮の教育とジェンダー
就学・不就学をめぐる権力構造
金富子(きむ ぷじゃ)=著
定価4200円(本体4000円)
2005年5月
ISBN978-4-902163-16-0
A5判 390頁 |
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本書は、植民地期朝鮮において「教育の学校化」「就学の制度化」が進む一方、ジェンダー・民族・階級をめぐる要因が複雑に折り重なりながら圧倒的多数の朝鮮人女性を就学から排除し、その延長線上に日本軍「慰安婦」制度が創出されたことを明らかにしている。「慰安婦」とされた女性たちの呼びかけに対する、歴史学の側からの真摯な<応答>である。 (京都大学 駒込 武)
植民地期朝鮮の女性の就学・不就学の要因を「ジェンダー」を軸に「民族」「階級」の相互関連から分析。この書は、慰安婦たちの声を聞き取った著者が、ジェンダー史、植民地研究史の研究者として記した、画期的な博士論文である。(お茶の水女子大学 舘かおる)
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目次
序 章 ジェンダー史からの問い
第1節 研究の課題とジェンダー史の方法論
第2節 先行研究と本研究の分析視角
第1章 普通学校「就学」と時期区分論の仮説的提示
第1節 植民地期の各初等教育機関の特徴
第2節 普通学校「就学」の男女別の時期区分論の仮説的提示
第2章 「教育の学校化」と就学構造のジェンダー化過程
第1節 普通学校「就学」をとりまく諸状況とジェンダーバイアス
第2節 「就学」規定要因としての民族・階級・ジェンダー
第3節 <民族>要因の変化と就学構造のジェンダー化過程
第3章 「就学の制度化」と朝鮮人男性の就学要因
第1節 第二次普通学校「就学熱」と「就学の制度化」
第2節 普通学校をめぐる<階級>・<民族>要因の変化
第3節 普通学校をめぐる「同床異夢」のかたち
第4章 朝鮮人女性の普通学校「就学」
第1節 朝鮮人女性の普通学校「就学熱」と出身<階級>
第2節 <ジェンダー>要因の変化1
第3節 <ジェンダー>要因の変化2
第4節 <ジェンダー>要因の変化3
第5節 書堂・私設学術講習会「就学」とジェンダー
小括 第2期における女子「就学」急増に関する仮説的提示
第5章 朝鮮人女性の普通学校「不就学」
第1節 朝鮮人女性の普通学校「不就学」の構築
第2節 ライフヒストリーにみる朝鮮人女性の「不就学」
終 章 植民地教育とジェンダー
第1節 結論
第2節 本書の意義
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